読書感想文「アルジャーノンに花束を」

あらすじ

 主人公は32歳の男性チャーリィ・ゴードン。彼は、知能の発達が普通の人々よりも遅れている、いわゆる知的障害者だった。ある日、一人の研究者が彼の元に訪れる。そして、知能を向上させる手術を提案する。願ってもいない話に、彼はとびつき、実験室のネズミのアルジャーノンと共に急速に知能を向上させていく。天才となった彼は、新たな視点から世界を発見し、成長し、そして何かを失っていく。定められた運命の先で彼がたどり着いた答えは、何だったのか。

 

ここからは、ネタバレを含めた感想です。

 

 先日、Twitterで「タイトルの美しい本」みたいな感じのワードがトレンドに入っていた時に、非常に多くの人がこの本を挙げていました。原作の題名は”Flowers for Algernon”。確かに素晴らしい訳だと思います。その時から気になっていた本ですが、ようやく読むことができました。

 読み終わった時、最初に感じたのは切なさでした。多分、他の人たちも同じだと思います。ラストにかけて、積み上げたものを徐々に失っていくときの葛藤の描写に、心が締め付けられました。特に「十一がつ16日」、アリスに恋をしているチャーリィとしての、最後の経過報告で完全に涙腺を崩されました。そして、ラスト2行の「ついしん」。この作品のタイトルの意味がわかったような気がします。それは、チャーリィが知能を失ってしまっても、変わらずに持ち続けた心そのものだと感じました。

 

ここからは、この本を読んで興味を持ったことについて書いていきます。

 

 この本を読んだ後、ひとつ興味が湧いたことがあります。それは、手術や薬で頭を良くすることは出来るのか、ということです。

 まずは、薬について少し調べてみました。どうやら頭を良くする、つまり、記憶力を上げたり、認知能力を高めたりする薬は存在するみたいです。というか、たくさんあるみたいです。もちろん、この本のように急激に能力が上昇するというわけではなく、栄養ドリンクで頭がスッキリするくらいの効果みたいなので、それを頭が良くなったと言うのかどうかは、微妙なところですが‥。中には、覚醒剤のように、副作用で人格が崩壊してしまう物もあるみたいなので、注意が必要です。

 次に手術について調べてみました。しかし、そのような手術は見つけられませんでした。なので、ここからは僕の推測です。

 何年か前に、ひらめきは脳神経の新たなルートの発見だ、という話を聞いたことがあります。脳には非常に多くの脳神経が存在し、互いに繋がっています。そこに電気信号が走ることで人は様々なことを考えたりすることが出来ると言われています。そして、新しいアイデアが浮かぶ時、脳は新しい脳神経の繋がり、つまり、電気信号の新たなルートを発見しているということです。

 この話が正しいとすると、外部から脳神経に電気信号を与えて、新たなルートを開拓すれば、頭が良くなるのではないかと考えられます。しかし、それは非常に危険だということは、素人にも分かります。無数の脳神経の中で特定の場所にだけ影響を与えることは、不可能です。頭は良くなったけど心臓が止まった、といった悲惨な結果になる可能性もあります。

 なので、結論としては、「手術で頭を良くすることは、出来るかもしれない。ただし、非常に危険。」ということになります。

 

 今回は、「アルジャーノンに花束を」を読んだ感想とそこから興味を持ったことについて調べて書いてみました。また、本を読んだら書こうと思います。